父が亡くなりました
2026.03.12
最後に空を観た日の父
父が亡くなりました。
亡くなったのは3月3日で、葬儀は一昨日終わりました。
通夜の前日、黒い革靴が見つからず、僕が出掛けている間に妻と恋人が一緒になって探してくれました。
その後、恋人の作ったカレーを3人で食べました。
通夜は撮影の仕事で静岡に行っていて出られませんでしたが、葬儀にはちゃんと出られました。
写真は、治療を諦め、ホスピスに転院する2月24日の父です。
久し振りに観る空や吹く風に、父がひときわ目を輝かせたのをみた僕は、どうしても写真を撮りたくなって撮ったのが上記の写真です。
父のホスピスへの転院を終えた後、母が相談があるとのことで姉と3人でお茶を飲んだのですが、葬儀社をどうするかという話でした。
そこでまた床の話が出たのですが、
「歩くと穴が空くのよ!どういうことかわかる?」
とすごい剣幕でいうので、確かに歩くと床に穴が空くというのはとんでもない事態だけれども、ちょっと想像しにくいと思ってよく聞いたら、穴が空くのは床ではなくストッキングとのことだった。
ストッキングなんて袋から出すだけで伝線したりするのだからそりゃ穴が空くことだってあるだろう。
母は生活の工夫や知恵のようなものが一切ない人間なので、床が綻びたら大金を払って全部直すという選択肢しか思いつかないような人間で、それ以外の価値観も持っていない。
「あなただって老いていくのに家をピカピカに保つために大金を使うことが重要だとは思えない」
ということを主張すると金の話となり、突然、
「パパは他の女に入れあげて私のお金まで使って、私ぜったい許さないんだから」
と母。
「まぁまぁ、それぞれの価値観で自分のお金を使えばいいじゃん」
と取りなす姉。
母の「他の女に入れあげ発言」だけれども、もし父にそんな女の人がいたのならば、それは本当に良かったと思って、僕は聞いた瞬間に胸がスーーーーーーーッと澄んでいく心地がしました。
それは『父が愚かな母に支配されない自由を確保していたのかも知れない』という僕の希望なのです。